本場のキムチ

韓国と言えばやっぱりキムチですよね!ご飯にのせるもよし、鍋に入れるもよし、炒め物にもよしと万能な食材です。私はやはりこれからの季節にぴったりなキムチ鍋が好きですね。辛いけどコクがあって身体も温まるので、風邪を引いたときなどにもキムチ鍋を食べます。ビールが進む最強おかずです。

キムチとは

キムチは、白菜などの野菜と、塩・唐辛子、魚介塩辛、ニンニクなどを主に使用した漬け物です。朝鮮半島でうまれ、現在は世界各地で食されています。かつては朝鮮漬けという呼称が一般的でしたが、現在は一部地域を除いてキムチという名前が定着しています。単独で、あるいはつけ合せとして食べられるほか、豚肉と一緒にいためた「豚キムチ」などの材料や、チゲの具としても用いられます。キムチは越冬用の保存食であり、現在の中国東北部で作られていた酸菜が伝わり現在の形へ変化していきました。始めの方のキムチは青唐辛子を使用した「白キムチ」もしくは唐辛子ではなくニンニクや山椒を使用した漬け物でした。しかし、日本から赤唐辛子が伝わってからは、赤い色の「赤キムチ」が主流となりました。唐辛子の強い刺激、野菜の甘み、乳酸発酵による酸味・旨味と塩辛さが混じりあった風味が特徴です。例外はありますが、多くの場合は魚介類やニンニクなどを使用するため、刺激や匂いに特徴がでます。朝鮮半島だけでなく、朝鮮民族が多く暮らす国・地域では、市場などでキムチを売っている事も少なくありません。ソビエト連邦時代に沿海州から朝鮮系住民が移住したウズベキスタンでは、市場やレストランでもキムチがみられます。

キムチの歴史

韓国では一般に、キムチの文献初出を13世紀初頭としています。唐の玄宗を題材とした長編詩で有名な李奎報の詩集「東國李相國集」に収録されている「家圃六詠」という詩に「菁(かぶら)」という部分がありますが、その中に「醤漬けして夏に食べるのがよく、また塩漬けして冬支度に備える」という記述が最初といわれています。なおこの記述の中に「キムチ」という名称は登場しません。また該当の食べ物は日本や中国の漬け物と特に変わりがなく、唐辛子や塩辛、白菜を使用するといったキムチの大きな特徴はまだ見受けられません。また、かぶらとは大根と同じ根菜であり、かぶらの発酵を伴う漬け物としては既に日本や中国には昔からありましたが、朝鮮半島にはありませんでした。塩もキムチの乳酸発酵で用いられる塩辛などでは無いと思われるため、この記述がキムチについてなのかどうかは定かではありません。16世紀、朝鮮半島に日本から唐辛子が伝来してしばらくしてから、キムチは唐辛子を用いて作られるようになりました。持ち込まれた当初、朝鮮では唐辛子のことを倭芥子、もしくは倭椒と呼び、毒があるとして忌避していましたが、後にキムチをはじめとした料理に用いるようになりました。1670年のハングル料理書「飲食知味方」に出てくるキムチは、唐辛子を使用したものは一つも見られません。1715年の「山林経済」にはじめて唐辛子がみられます。19世紀の文献「閨閤叢書」に出てくるキムチを見ると、粉の唐辛子ではなく千切りの唐辛子を少し入れる製造方法の記録が残っており、19世紀前後に唐辛子が使用され始めたことが推測されます。1827年の「林園十六志」に、はじめて現在の加工法に近いものが出てきます。現在食べられている白菜は、中国人が品種改良によって生み出した野菜であり、今の結球型の白菜が完成したのは18世紀以降とされています。よって、塩辛、唐辛子と白菜を使ったキムチの登場は、どんなに早くても18世紀以降と考えられます。

日本からの唐辛子の伝来
キムチに使われる唐辛子は、元々朝鮮半島に自生していたものではありません。豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日本が朝鮮半島に持ち込んだものとする説、江戸時代の貿易活性化によるものだとする説があります。元々アジアには存在しなかった唐辛子が国交があったポルトガルとの貿易により日本に渡り、漬け物の添加物として使用された事に始まり、腐りにくく味覚に合っていた事もあり、やがて朝鮮半島にも渡り、広く親しまれることになりました。日本からの伝来に関しては江戸時代に朝鮮通信使が持ち帰ったという説もあります。また、唐辛子を使用することになったこの頃にキムチという名称が定着したといわれています。

キムチの作り方

一般的な白菜のキムチは以下のように漬けます。

  • 1、白菜を一日ほど塩に漬ける。
  • 2、水で洗って塩抜きし、葉に唐辛子、ニンニク、ニラ、塩漬けされたアミエビ、イカ、イシモチ、イワシなどの塩辛、魚醤の他、牛肉や煮干、昆布などの出汁を合わせた薬念をまぶして壷に本漬けする。
  • 3、本漬けで4~5日ほど発酵させると出来上がり。乳酸発酵を伴いガスが発生するため、密閉容器にキムチを詰めて室温で保管していると、破裂する恐れがあるので注意。

キムチの種類

様々な具材を使ったキムチがあり、その数は200種類以上あるといわれています。地域によりキムチの種類も異なり、北に行くほど薄味で辛さも控え目になる傾向にあります。朝鮮半島北部のキムチは汁気が多く、野菜の素材の味を活かしたものであるのに対し、南部のキムチは唐辛子が多くなり汁気は少ないのが特徴です。この理由として気温が高い南部では亜熱帯性の作物である唐辛子の生産に適していたこと、また同時に豊富に獲れた魚介類を積極的に用いたため、臭み消しや保存性を高める目的から唐辛子や塩を多く用いる必要があったことがあげられます。また、離乳食用に薄味のペースト状になった「赤ちゃんキムチ」や辛さを抑えた「子どもキムチ」も韓国では販売されています。以下は代表的なキムチの種類です。

ペチュギムチ・・・
白菜のキムチ。単に「キムチ」と称した際はこの白菜キムチを指す場合が殆どです。19世紀に中国で新品種の白菜が輸入され一般的になった、比較的新しいキムチです。
オイキムチ・・・
キュウリのキムチ。オイソバキ、オイギムチとも言います。
カクトゥギ・・・
大根のキムチ。大根をさいの目に切って作ります。カクテキとも呼ばれます。
チョンガクキムチ・・・
チョンガク大根という小型の大根を使ったキムチです。
ポサムキムチ・・・
開城地方の名物です。生のイカやカキなどを白菜の葉で包んで漬けます。保存がきかないため、2~3日で食べきらなくてはいけません。
ヤンベチュキムチ・・・
キャベツのキムチ。白菜が手に入りにくいヨーロッパなどへ移住した朝鮮系住民によってよく作られています。
ムルギムチ・・・
唐辛子とニンニクを使わない、汁気の多い白いキムチです。汁ごと食べます。ムルギムチの汁は冷麺の汁に使われます。

キムジャン

朝鮮半島では毎年秋に越冬用として大量のキムチを漬けます。この行事は「キムジャン」と呼ばれ、大企業などではそのためのボーナスも出ます。韓国では儒教の影響で女性が飲食や娯楽に興じることは以前は許されていませんでしたが、キムジャンの際は公然とそれらを行うことができ、女性たちのお祭りに相当するものでした。韓国では日本でいう味噌汁のように家庭の味を象徴する料理であり「良いキムチを作れる女性は良い妻になれる」という言葉まであります。しかし現在は、スーパーなどで既製品のキムチを買う主婦も多いそうです。特に若い世代では、65%がキムチの作り方を知らないと回答しているとコリア・タイムズが伝えました。韓国は自国産のキムチを日本などに輸出する一方、安価な中国産キムチを輸入しており、輸入量が輸出量を上回るほどとなっています。安価な中国産キムチは主として飲食店で出される「突き出し」として用いられます。日本の喫茶店で出される水や寿司屋のガリが基本的に無料であるのと同様に、韓国の飲食店ではキムチを含む副菜は無料で、無くなるつど補充されます。