韓国の魚料理

ケジャン

ケジャンは新鮮な生のワタリガニを醤油ダレに漬けて熟成させた料理です。ヤンニョムで作った唐辛子味のケジャンと、醤油ベースで味付けしたカンジャンケジャンの二種類があります。生のワタリガニをそのまま調理するので、ワタリガニの新鮮度が重要です。清浄な海域から獲れた新鮮なワタリガニを使うことで美味しいケジャンを作ることができます。通常、加熱せずに生のまま食べます。5月~6月ごろがワタリガニの旬であるとされ、この時期に獲れたワタリガニを使ったケジャンは特に美味とされています。また、旬のメスのカニを使って作ったものは、卵が詰まっていて肉が硬く、しっかりとした味を楽しむことができます。これを食べるとご飯が進むことから「ご飯泥棒」という相性も付いています。韓国各地の海鮮料理店や焼肉料理店などで提供されるほか、ケジャン専門店も存在します。また、百貨店の惣菜売り場や市場等でも販売されています。

効能
ワタリガニは身の部分が他のカニより多く、たんぱく質やカルシウム、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含んでいて、生の調理にも適しているといわれています。ワタリガニに含まれるキトサンという成分は、骨を丈夫にすると共に老化の防止にも効果があります。また、タウリンという成分は女性の生理障害や、産後の痛みを減らす効果があるといわれています。

フェ

フェは、韓国料理のうち、生で食べる魚介料理や肉料理のことです。その中でも「センソンフェ」は生の魚介類を薄い切り身にしたもので、日本の刺身が日本統治時代に伝わったものです。朝鮮でフェを食べ始めたのは、中国からの影響で三国時代の頃からと考えられています。当時、中国では生肉を細かく切り刻んだなますを良く食べており、これが朝鮮にも入ってきました。しかし高麗時代には仏教の国教化によって獣の肉を食べる風習は廃れていきました。牧畜を行うモンゴル帝国の侵入、および高麗王朝を仏教の衰退によりフェの消費は復活しました。儒教が重んじられるようになった李氏朝鮮時代には、孔子もなますを好んで食べたということから祭礼のために肉は必須のものとなり、肉なますや魚なますなどさまざまなフェが食べられるようになりました。現代の韓国では、フェとは主に魚介類の刺身を刺しますが、牛肉のフェも多くの専門店のある人気のメニューです。魚介類のフェとご飯を丼に盛るとフェドッパプという海鮮丼になり、ビビンバのようによく混ぜて食べます。冷麺の上に盛り付けるとフェネンミョンとなります。

魚のフェ
魚のフェは、コチュジャンに酢を加えたチョコチュジャンのほか、テンジャン(味噌)にコチュジャン、ゴマ、にんにくなどを加えて作るサムジャン、ワサビなどをつけ、サンチュなどにくるんで食べます。また見た目を良くするため、調理しないタンミョン(春雨の一種)の上にのせて食べることもあります。また食堂などで魚のフェを食べ終わると、残った魚のあらに野菜を加えてメウンタンという鍋物を作って食べるのが一般的です。白身魚のフェ以外にも様々な種類の魚介類のフェが食べられています。
  • ファロフェ・・・生簀から出した活魚をそのままさばいてフェにしたもの。
  • スックフェ・・・魚やイカなどにさっと火を通したもの。
  • ソンオフェ・・・マスなどの川魚の刺身。
  • プゴフェ・・・干し明太を裂き、水で戻して和えたフェ。
肉のフェ
ユッケは肉という意味の「ユク」とフェを足した語で、生の牛肉を醤油・コチュジャン・ごま油などで和えた料理です。カンフェは牛のレバー刺しで、生のレバーをごま油と塩で和えたもの、チョニュプフェはセンマイを塩胡椒、ごま油などで和えた料理です。

ホンオフェ

ホンオフェは、韓国全羅南道の港町である木浦地域の郷土料理で、ガンギエイの刺身または切り身を壷などに入れて発酵を促進させたものです。エイの肉を壷などに入れて冷暗所に置き、10日ほど発酵させるとエイの持つ尿素などが加水分解されてアンモニアが発生し、ホンオフェが出来上がります。プサン、ソウルなどでも食べることは出来ますが、本場の物とは違いさっぱりとしてこりこりとした食感を楽しむタイプのものが多いようです。一方、全羅南道木浦のものは凄まじいアンモニア臭がし、涙を流しながら食べることになります。口にいれた後にマッコリで流し込むのが通の楽しみ方とされています。長く口の中に入れておくとアンモニアによって口内粘膜がただれてしまうこともあるので注意が必要です。発酵させればさせるほど身が柔らかくなり、美味とされています。その強烈なアンモニア臭から外国人や初心者には敬遠されますが、韓国では高級食品のひとつであり、朝鮮半島南部のホンオフェの本場では結婚式など冠婚葬祭には欠かせないご馳走なのだそうです。

臭いの強さ
ホンオフェの強烈な臭いは世界有数、アジア最大とされており、口に入れた状態で深呼吸すると失神寸前になるといわれています。臭いの強さは納豆の14倍、キビヤックの5倍であるといわれています。また、近年日本で製作されているバラエティ番組で「臭い食品」を取り扱う際に、シュールストレミングにも匹敵するアジアの臭い食品としてしばしば登場しています。日本テレビ制作のバラエティ番組「ワールド☆レコーズ」では取材人が木浦に赴き、宴席でふるまわれたホンオフェを喜んで口に入れた現地の男性が、涙を流しながら食べている様子を描写し、「食べた人にしかわからない爽快な刺激があるのだという」と説明しています。同番組の司会者である内村光良は隔離されたブースで匂いを嗅ぐなり「ションベンだよ、ションベン」と話し、口には入れたものの飲み込むことができませんでした。また、同じく日本テレビのバラエティ番組「DON!」では「世界一臭い刺身」として紹介され、レギュラー陣はトイレの臭いがするなどと発言しました。