韓国のご飯

キムパプ

キムパプは韓国の海苔巻きです。韓国の三国時代に「サム」の一種類から由来し、現在の形は19世紀末から食べ始められたものと言われています。今の形が日本の海苔巻きと似ていることで、日本起源を主張する意見もあります。おかずなしで手軽に食べることができることから、弁当や旅行用簡易食として1960~70年代から流行し始めました。特に学生時代の遠足で食べた思い出がしばしば語られます。巻き簾を使用する調理法などは日本の海苔巻きと同じですが、キムパブには酢飯が使用されず、ごま油で味を整えるのが一般的であり、また中に入る具材が日本の海苔巻きに比べて多く、生魚も使用されないなどの違いがあります。あぶった板海苔の上に米飯を均一に薄く敷き、その上に細長い形に整えられた具材を載せます。米飯は、塩やごま油で味を整えるのが一般的です。具材は、複数の材料を用いることがほとんどで、一般的に使用される具材には、人参、ほうれん草、キムチ、エゴマの葉、たくあん、牛肉、ハム、ツナ、カニかまぼこ、チーズ、卵焼きなどがあります。このほかに具なしのキムパプや、刻んだニンニクの醤油漬けのみを米飯に混ぜてから海苔で巻いたキムパプもあります。海苔と米飯で具材を巻き込み、海苔の表面にごま油を塗ったり白ごまを振ったりして風味付けをして完成です。食べるときは出来上がったものを輪切りにし、何もつけずにそのまま食するのが一般的ですが、焼いてたべたり、卵液をつけたものを焼いて食べることもあります。トッポッキの汁をつけて食べる人も多いそうです。キムチやたくあん等のつけものやスープと一緒に出されることが多いです。具材の種類や料理形態には様々な種類があり、地方や店によるバリエーションも豊富です。1990年半ばまでは高級化路線が人気を集めましたが、IMF経済危機ごからは昔のスタイルの簡素なものが流行し始めました。以下はキムパプの代表的な種類です。

一般的なキムパプ
具材を米飯と海苔で円柱状に巻いたものです。中に入る具材により、様々な種類と名称があります。一般的なものとしては「モドゥムキムパプ(普通のキムパプ)」「チャムチキムパプ(ツナが多めに入っている)」「野菜キムパプ」「チーズキムパプ」「キムチキムパプ」などがあります。
忠武(チュンム)キムパプ
具の入っていない一口サイズのおにぎりに海苔を巻いたものを、イカの甘辛い和え物やカクトゥギとともに食べます。慶尚南道の忠武(チュンム)が発祥の地とされていることからこの名前がつきました。
コマキムパプ
一口で食べられる、小さなサイズのキムパプです。コマは、韓国語で子供という意味があります。
ヌードキムパプ
海苔に米飯を敷き、米飯を外側にして具材を巻いたキムパプです。海苔と米飯を裏巻きにする方法はカリフォルニアロールと同じです。韓国で近年登場した比較的新しい種類です。
三角キムパブ
具材の入った三角形の握り飯に海苔を巻いたものです。日本の三角おむすびと同じものです。アボカド入りのキムパブなどもあります。

クッパ

クッパはスープとご飯を組み合わせた雑炊のような料理で、焼肉店での定番とも言われています。「クク」はスープ、「パァ」はご飯の意味があります。日本のクッパは、焼肉店での定番料理の一つであり、卵などが入ったあっさりとしたスープにご飯が入ったクッパと、辛めのスープにカルビが入ったカルビクッパが多く提供されています。一方韓国のクッパは、日本の焼肉店にあるクッパとは大きな違いがあります。日本の焼肉店にあるクッパはあっさりしたスープに卵などが入り、ご飯も最初から入っていますが、韓国のクッパはスープとおかずとご飯がセットで供され、ご飯は自分で入れるようになっています。スープは辛くない物もあり、ヤンニョム(合わせダレ)やキムチを入れて好みの辛さにしながら食べます。クッパのうち醤油味のスープにご飯を加えたものをジャンクッパと呼びます。これには必ずキムチを添え、サンジョクという串焼きをのせることもあります。地方によりバリエーションが多彩で、京畿道のスンデ(豚の腸にもち米や春雨を詰めたもの)が入った「スンデクッパ」、釜山など慶尚道に見られる豚肉が入った「テジ(豚)クッパ」、全羅北道全州の豆もやしがたっぷり入った「コンナムル(豆もやし)クッパ」、平安道の肉のスープに緑豆の味噌と炒めた豆腐を載せた「温飯(オンパン)」などが特に有名です。

ビビンバ

ビビンバは韓国の混ぜご飯です。丼や専用容器にご飯とナムルや肉、卵等の具を入れ良くかき混ぜて食べます。コチュジャンやごま油等の調味料をかけ、匙でよく混ぜます。少量のスープを振り掛けると混ぜ易くなります。ご飯の上に盛られている具は本来五種類とされ、手前、奥、右、左、中央に分けて盛られています。手軽なメニューとして食堂や家庭で一般的であり、店の一角に並べられた具を客が取れるようにしているところも見られます。載せる具は雑多で、ユッケを載せた「ユッケビビンバ」、タコや貝直を載せた海鮮系の「ヘルム(海物)ビビンバ」のほか、ヘルシー志向を反映してか、生野菜を多く載せた野菜ビビンバなどがあります。また、野菜を載せた上に辛口の味噌ダレをかける「テンジャンビビンバ」などもあります。土地の名物となっているビビンバも存在します。全羅北道の「全州ビビンバ」が特に有名です。

起源
ビビンバの起源については韓国内でも意見が分かれており、朝鮮王朝時代の宮廷料理から始まったという説、高麗時代にモンゴルがせめてきた時に王が避難先で食べたという説、庶民料理から始まったという説、東学革命説、飲福(正月に先祖と食べ物を分かちあう風習)説などがあります。韓国観光公社では「大晦日に残った食べ物は新年まで持ち越さない風習があり、残った食べ物をご飯と混ぜて食べたのがビビンバの始まり」と説明しています。また旧正月や秋夕などの特別な日に先祖への敬意を顕すためにたくさん料理を作り、その残りをビビンバにして食べるのだそうです。庶民料理説については、農家が農繁期に供した、または祭祀の際に供物を下げてその場で食したなどの説があり、総体的には何らかの事情でおかずを盛るためのたくさんの器をしようできなかったことがきっかけだとする説が多く存在しています。いずれの説も巷でよく論ぜられるものの、確固たる出典・論拠は得られていません。
日本のビビンバ
日本では焼肉店のご飯ものメニューの一部として人気を得ています。特に石焼ビビンバが人気で、韓国料理店や専門店で食べることが出来ます。石焼ビビンバは岩から切り出した専用容器を高温で加熱してから材料を入れて供するもので、おこげの香ばしさとともに熱々のまま食べられます。石焼ビビンバ用の鍋には取っ手がなく、加熱後は非常に熱くなるため、移動にはやっとこという鉄のはさみを用い、専用トレイあるいは木台を用いてテーブルに置かれます。日本において、キムチや炭火焼肉など多くのものが考案されていますが、石焼ビビンバも日本において在日韓国人が考案したものとされています。牛肉や野菜などを入れることと、石焼で食べることが特徴で、新しい食べ物として日本国外にも伝わっています。石焼については石焼栗、石焼芋は古くから知られており、1968年には「蒸しいもと石焼いもとの比較」が「日本家政学会」から公表されています。こういった知識やアイデアを基にどこかの知恵者が陶板焼きや遠赤焼肉調理器などと同様に民具として開発営業したとも言われています。石焼ビビンバは韓国でも人気があり、「トルソッビビンバ」と呼ばれています。なお、大衆的な食堂では石の器の代わりにアルマイトなどの小鍋を用いた「鍋焼きビビンバ」が石焼ビビンバより廉価で提供されているところもあります。