韓国のスープ

カムジャタン

カムジャタンは韓国の家庭料理を代表するものの一つで、カムジャはジャガイモ、タンはスープの意味があり、ジャガイモのスープのことを指しています。また、豚の背骨の別名をカムジャ骨といい、カムジャ骨を使用したスープなのでカムジャタンと呼ぶ説もあります。肉が少し付いている豚の背骨を長ネギやしょうが、にんにくなどと一緒に長時間煮込み、皮を剥いたジャガイモを丸のまま、もしくは大きめに切ったものを一緒に茹で、大量の唐辛子やコチュジャン、テンジャン、醤油、塩などで味付けをします。におい消しにエゴマの葉を入れたりもします。食べ終えて残ったスープにご飯やキムチ、海苔などを入れてゴマ油で炒めてチャーハンを作ることもあります。韓国ではカムジャタンの専門店が多く、24時間営業をしている店も少なくありません。一般的に小・中・大の三種類のメニューになっており、小でも2~3人前のため、1人前のカムジャタンはほとんど存在しません。その代わりに1人前用のメニューにピョダギヘジャングがあります。ピョダギヘジャングにはジャガイモが入っていないことが多いです。

コムタン

韓国の代表的な料理のひとつで、牛の肉・内蔵等を長時間煮込んで作る、シンプルなスープ料理です。長い時間かけて煮出すという意味の「膏飲(コウム)」という言葉が変化した言葉「コム」とスープを意味する「タン」が合わさって出来た言葉です。よく似た料理でソルロンタンがあります。両者は味は似ていますが、作り方には多少差があり、一般的にソルロンタンは骨を入れて骨髄まで煮出されているので白濁したスープに対し、コムタンには骨は入れず透明なスープとなります。また、コムタンは胃、小腸等の内蔵肉を入れるため、ソルロンタンに比べ濃厚で脂っこいのが特徴です。バリエーションとして鶏肉を煮込んだタッコムタン、牛のテールを煮込んだコリコムタンなどがあります。

ソルロンタン

牛の肉・骨を長時間煮込んで作る、乳白色のシンプルなスープ料理です。似た料理としてコムタンがあり、両者とも長時間かけて煮出したスープではありますが、コムタンと比べ骨が多く入っており、骨髄まで煮出されて白濁しているのが特徴です。家庭ではなかなか味が出しにくい料理で、専門店や一般的な食堂で食されることが殆どです。注文すればすぐに出てくる簡便さから、朝食・昼食などとして広く食べられ、価格も比較的安いです。韓国統計庁では生活物価指数を測定する代表的な品目のひとつとしています。韓国では老舗やチェーン店などの専門店が、早朝から、あるいは24時間で営業しています。これらの店ではスープと白米のセットが出され、テーブルには大量の白菜キムチ、カクトゥギが置かれていることが多いです。

作り方・食べ方
牛の骨や各部位の肉、舌、内蔵を大きな鍋に入れ、水で10時間以上煮立てます。ゆでてスライスした肉類、素麺などをいれた器に、出来上がった乳白色のスープを注ぎ、薬味の刻みネギをのせて白飯とともに供されます。調理時にはほとんど味付けを行わず、食卓で塩・コショウ、粉唐辛子などを加え、好みの味に調節して食べます。副菜として、特に大根のキムチが欠かせないと言われています。白飯やゆでた麺を入れて食べることもあります。

サムゲタン

サムゲタンは韓国、北朝鮮に広まった料理であり、チキンスープの一種です。鶏肉と高麗人参、鹿茸、ファンギなどの漢方ともち米、くるみ、松の実、ニンニクなどをいれて煮込んだ料理であり、薬膳料理や補身料理ともされています。熱いスープ料理ですが、夏の料理として提供する専門店が多いです。韓国において、日本の土用の丑の日におけるウナギのように「三伏の日に食べると健康に良い」とされ、夏バテ時の披露回復としてよく食べられています。夏の間だけ提供する食堂が多いのですが、専門店では一年中食べることができます。ただし韓国風の、高麗人参が入っているものは、風邪などで熱があるときに食するのは動悸を誘発するため禁忌とされています。丸鶏を水炊きして塩などで食べるペクスクと、もち米で作る粥が一つになってできたタッククがサムゲタンの原型とされています。サムゲタンは材料さえ手に入れば家庭でも作ることができます。韓国内ではサムゲタン用に若鶏を処理したものが販売されており、冷凍ものを扱う韓国食材店もあります。また調理されてパックされたレトルトパックも販売されています。専門店では、鳥骨鶏の肉を用いたオゴルゲタンや漆の木と一緒に煮込んだオッケタンを出すところがありますが、通常のものより高級品とされ、値段も高くなっています。サムゲタンは鶏一羽を丸ごと入れて作ることもあり、カロリーは高めです。

作り方・食べ方
鶏の腹から内臓を出して、そこに高麗人参と洗ったもち米、さらに干しナツメ、栗、松の実、ニンニクなどを詰めた後、水に入れて最低2~3時間じっくり煮込みます。長い場合は丸一日煮込むこともあります。煮込む際に長ネギなそを加えることもあります。ひとり1羽ずつ、熱々のスープに入れて小さい土鍋で供します。韓国風では調理時に味付けはほとんど行わず、食卓で塩。コショウ、キムチなどで味を整えて食べます。小皿に塩を入れ、少量のスープで溶き、そこに肉片をひたすという食べ方もあります。よく煮込んだ場合には簡単に骨がはずれ、また軟骨まで食べることができます。小骨も食べられるとされていますが、鶏の小骨は鋭くとがった形に砕けて胃を傷つける心配があるので、食べないほうが安全です。スープを残し、そこにご飯を入れることもあります。

ポシンタン

ポシンタンとは犬の肉を使用した料理で、体に栄養を補うスープを意味しています。もとの名前はケジャンククで、ケは犬を、ジャンククは辛いスープを意味しています。1980年代序盤には、犬の食用を禁じた当局の取り締まりを避けるため、よく知られていたポシンタンという名称を伏せるために別名で呼ばれていたという歴史もあります。これらの名称はいずれも韓国での呼び名で、韓国においては犬肉を野菜とともに煮込んだスープが出されます。朝鮮半島において、犬の肉は伝統的な料理の一つですが、犬の肉を食べることが稀である日本や欧米では理解されず、「野蛮」であるとして批判されました。これらの事情から、ソウルオリンピックや2002年のFIFAワールドカップの際にはこれを扱う食堂は表通りから一時一掃されましたが、2008年ごろからでは再び増加しています。

ヘジャンクク

ヘジャンククは韓国料理において酔い覚ましに用いられるスープです。通常、牛肉の出汁に、肉が少し付いている豚の背骨、牛の血を固めたものや乾燥白菜、その他の野菜などを煮込んで作ります。第二次世界大戦直後、夜間外出禁止令が解除となる午前4時に、鍾路地区で開店していた唯一の食堂が、この料理を開発したと伝えられています。

種類

ピョヘジャンクク・・・
肉が付いている豚の背骨を唐辛子や長ネギ等と一緒に煮込んだスープです。ジャガイモを入れるとカムジャタンのようになります。
コンナムルヘジャンクク・・・
もやしのナムルが入ったヘジャンククです。
ソンジヘジャンクク・・・
牛の血を固めたものが入ったヘジャンククです。
ファンテヘジャンクク・・・
スケトウダラが入ったヘジャンククです。